鹿チャンネル

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不倫ってどうなの?【読書】夜明けの街で

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こんにちは 鹿@shikachannel_jpです。

休日の真昼間から、ダークな話題ですいません。
最近読んだ本の話題です。
東野圭吾さんの「夜明けの街で」。
内容は不倫。

タイトル 夜明けの街で
書籍タイプ 文庫
出版社 角川文庫 (2010/7/24)
著者 東野 圭吾

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折しも某大手芸能事務所のタレントが不倫を認めて無期限活動自粛云々でワイドショーが騒いでいる最中だったので小説の内容と現実世界とがリンクしてリアルな感覚に包まれました。
いつもは「嬉しそう」に騒ぐのに今回はジャ〇ーズ事務所のタレントだからどこか気を遣いながら騒いているように感じてちょっと滑稽ではありましたけどね。

主人公の渡辺は東証一部上場企業に勤め、妻子持ちで自宅ローンを抱える一般的なアラフォーサラリーマン。
その渡辺が同じ部署の派遣社員、仲西秋葉と不倫に墜ちます。
よく一緒に飲む大学時代の仲間は全員既婚者でそんな酒の席では
「不倫をするヤツなんて馬鹿だ」
と豪語していたのにも関わらず。

結婚すると得られるものと引き換えに失うものの方が多い。
夫婦になると男性は男ではなくなり、女性は女ではなくなる。
異性にドキドキすることは許されず日常のルーティーンを機械的に消化する平凡で退屈な日常を過ごす苦痛。
そんな風に思っていると切っ掛けさえあれば男女問わず誰でも不倫の当事者になり得る可能性とは隣り合わせなんだと思います。
そしてその境界線ってそんなに高いハードルじゃないから「つい」うっかり超えてしまう。

まぁ結婚生活を平凡で退屈で苦痛だと思うか、不安や問題を孕まない平和こそ価値のあるモノだと思うかで当事者になるか、そうでないか結末は違うのでしょう。
でもそれが正論だと分かっていてもスイッチが入ってしまうと、境界線を越えてしまうと正論なんて価値を失うのかなと思ったりも。


渡辺の不倫は一般的な不倫とちょっと事情が違う。
不倫相手の秋葉には殺人の疑いがかかっている。
2人以外の職場の人間はだれも知らない。
間もなく時効を迎える。
渡辺は問題のない平穏な家庭を捨ててでも秋葉と将来を共にしたいと決意しちゃうんです。

渡辺は秋葉を信じ、時効成立を迎える日を不倫相手と迎えるために
「今晩は帰らない」
と妻、有美子に言い残して出勤します。
そして同時に
「明日、大切な話しがある」
と離婚の意思を伝える決意も言い残して自宅を後にするんです。

もうね、ドッキドキですよ。キャー!
後に明かされる真実を知るとブッたまげ!
そうくるかー、そうだったの!って椅子から転げ落ちそうになるんですけどね。
秋葉に着せられた容疑の真相、時効の日は迎えられるのか、秋葉と渡辺のゴールについても衝撃の連続です。


仕事を終えて帰宅すると本が届いていたので何気なく読み始めてしまったのが失敗で展開が気になりつつも夜更かしはイカンと何とか就寝。
翌日早起きして続きを読んでから出勤。
職場でも昼休みに読み進め、帰宅後フィニッシュ。←何やってんの?w

凄くテンポの良い展開でドキドキバクバクしながら物語の世界に墜ちていきました。
「不倫、だめですよ」という短絡的なメッセージだとは思えません。
恐らく男性、女性、夫であるか妻であるか等、それぞれの立場というか視点によって内容の捉え方って様々だと思います。
既婚者の皆さん、ちょっと読んでみましょう。
いい刺激になるかも、です。